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アメ村放送倶楽部 vol.15 MFS

2022.01.02

アメ村放送倶楽部 vol.15

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◉ゲスト : MFS
◉インタビュアー : Seiji Horiguchi
※2020年10月16日(金)のインタビュー


Seiji : 始まりました。アメ村放送倶楽部。今日のゲストはMFSさんです。

MFS : はい!宜しくお願い致します!



Seiji : 毎回、ゲストの方が変われば、このインスタライブの視聴者の層も変わっていくんですが、今回は特にMFSさんのファンの方や友達が多い感じがしますね!

MFS : ハートの数がすごいですね(笑) ありがとうございます!

1, ラッパーになったきっかけ。東京から大阪へ

Seiji : ではまずはプロフィールの紹介から。
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Seiji : 僕はこちらのプロフィールを書かせてもらったのきっかけにMFSさんと繋がりました。シングルのリリース以降、ライブも増えて活躍中のMFSさんですが、個人的には、東京出身のMFSさんが大阪に引っ越してから活動を始められたというのが興味深くて。なのでまずは大阪に来られたきっかけから教えていただけますか?

MFS : 一番最初に大阪に来たのは2019年の1月で、普通に観光でした。[Triangle]で、THA JOINTZのJASSさんが主催の「JEST FUNK」というイベントのライブを見に行って、そこから1週間くらい滞在したんです。もちろん東京も楽しいんですけど「大阪も楽しいかも!」と思って、そこから何回か大阪に遊びに来るうちに「一回住んでみても良いかな」と思うようになって2019年の春くらいに引っ越しました。はじめは「住むとしても短い期間かな?」と思ってたけど、意外とフィットしていますね。

Seiji : 大阪のどういうところに惹かれましたか?

MFS : 「ご飯が美味しい・お酒がめちゃくちゃ飲める・フレンドリーな人が多い」というのが大阪の第一印象です。HIPHOP的な部分でいうと、カルチャーが一つの街にぎゅっと凝縮されているところに衝撃を受けました。あとみんなピースでいい意味でゆるくて。自分の生まれ育ったところには、大阪のいわゆる「いなたさ」みたいなのが無かったので、それもカルチャーショックでしたね。

Seiji : 確かに大阪には人を惹きつける魅力がありますよね。自分も地方から出てきた身なのでわかります。次にMFSさんが幼少期に聴いていた音楽や過ごしてきた環境についてお聞きしたくて。

MFS : 生まれたときからお母さんがずっとブラックミュージックを聴いていたんです。TLCとかデスチャ(DESTINY CHILD)とか。そういうのを家でかけて、お母さんとお姉ちゃんと3人でなりきって踊っていました。TLCだったら「私がLISA!」とかね(笑) それから小学校の時に、私と姉は習い事でクラシックバレエを始めたんです。家で遊んでる時もクラシック音楽が流れたりしていました。そういう両極端な音楽が流れる環境でしたね。あと小学校の時はK-POPにハマっていて、中学校は海外のパーティソングを聴いていました。そうやって色々聴いてきたけど、一番の根底はブラックミュージックだと思います。

Seiji : なるほど。J-POPはどうですか?

MFS : 聴いてましたよ!ORANGE RANGEの『イケナイ太陽』を親友4人とベッドの上で歌い踊り狂って、ベッドを壊した事もあります(笑)



Seiji : 最高ですね!(笑) ブラックミュージック、クラシック、そしてPOPSと、幅広く聴いて来られたんですね。大阪に引っ越してきて間も無くラッパーとして活動されたMFSさんですが「ラップをやりたい」という気持ちは東京に住んでいた頃からあったんですか?

MFS : いや、それが全くなかったんです。リリックも書いた事ないし。ただ大阪に来てから「何か表現するものがあったらいいな」とは思っていたんです。そしたらある日、JASSさんにBeyonceの『Me myself and I』という曲のインストをもらって、生まれて初めてリリックを書いてみたんです。



Seiji : その曲ができた時のJASS君からの反応はどうでしたか?

MFS : そのインストをもらった2日後くらいにベロベロの状態でJASSさんにアカペラで聴かせたんですけど「めっちゃいいやん!レコーディングしよう」って言ってくれて。そこからは本当に周りのおかげで本格的に活動するに至りました。

(この『MYSELF』という曲は、2021年4月リリースのEP『FREAKY』に収録。同年8月にはMVもリリースされた)

2, 貫禄溢れるMFSのラップスタイル。

Seiji : JASS君の後押しもあって本格的に始めることになったんですね。2019年の秋に初めてリリックを書いたということですが、2020年の春にはもう音源が出ていて、PVも矢継ぎ早に出て…。スピーディな展開ですよね。そして始めて間もないのにも関わらず、貫禄というか「場慣れ感」がとても強い印象です。ラップをする時に、何か意識していることやインスピレーションを受けるものはあったりしますか?
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MFS : まずリリックはTHA JOINTZからモロに影響を受けていると思います。フロウでいうと海外の曲をよく聴くので、どこかで意識していると思います。気持ちいい感じのフロウにナチュラルにリリックをはめています。

Seiji : 1stシングルの『BOW』は、時々アグレッシブなリリックも目立ちます。

“BOW 舐めたきゃ舐めとけ。BOW 代わりにゲロ吐く”
“まだガタガタ吠えてるM*ther F**ker. 相手にできない”


そういったいわゆるヘイターへのメッセージはあるんでしょうか?

MFS : その時はそういう気持ちだったかもしれないですけどね。ただ特定の「誰か」とかじゃなく、不特定のものに対しての態度だと思います。でも曲を作った時の考えだったり気持ちから変わっていくので、今はわからないですね。

Seiji : どちらかというと、フロウの気持ち良さだったりグルーヴを意識しているという感じ?

MFS : そうですね。特に最近作ってる曲はそういう感覚の要素が多いと思います。

Seiji : それから、MVではダンサーと一緒に踊る姿も印象的ですが、撮影する際に、ディレクターと「こういうことをやりたい」などの話もするんですか?

MFS : しますね。『BOW』のディレクターのODEN君とか『FEELING』のディレクターのCh0.c0君は、撮影する時に全体の絵だったり構成が見えているみたいなんですが、そこに私が「変顔やりたい」とか「お酒飲むシーン入れたい」とか注文したり、ロケ地も私が決めます。大阪の街のこともまだそこまで詳しく知っているわけじゃないので、相談しながらですけどね。

Seiji : 太陽の塔のような「ザ・大阪」な場所も写ったりしますよね。

(視聴者からのコメントで)
リスナー : 『BOW』のMVで映ってるゴミ処理場は、大阪の“無駄使い物件”として有名です。


Seiji : そうなんですか!知らなかった。

MFS : 「派手なゴミ処理場があるよ」って教えてもらったんです。実際見に行ったら雰囲気も良くて、すぐにロケ地に決めました。

Seiji : 子どもの頃習っていたクラシックバレエの身体語彙が今のMVのダンスに活かされることはないんですか?

MFS : あんまりないかな?でもグランパドゥシャは、今もできます。

Seiji : グラン…グランパドブレ?

MFS : パドゥシャです(爆笑)

Seiji : すみませんバレエ全然知らなくて(笑)

Grand pas de Chat (グラン パ ドゥ シャ)


Seiji : それからMFSさんが繋がりが深く、MFSさんが映像やアー写を撮る際に必ず登場するブラックヘアアーティストのBARBERIKEDAさんについてもお話を聞きたいです。ラップをする前から髪の毛を編んでもらっていたんですか?
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MFS : 私がJOINTZと仲良くなり始めた頃に「大阪の友達で、編んでる奴いるから紹介するわ」と繋げてもらって。大阪に引っ越してきた初日にBARBERIKEDAに編んでもらいました(笑)

Seiji : 初日ですか!(笑) 今までかなり多くの種類のセットをしてもらってきたと思うんですが、完成イメージはMFSさんからBARBERIKEDAさんに伝えるんですか?

MFS : そうですね。あらかじめ編んでもらうヘアの種類とか色味を伝えたうえでやってもらう時もあれば、最近は予算だけ決めてお任せでやってもらう時もあります。

Seiji : PVを撮る際も、いつもBARBERIKEDAにセットしてもらうんですか?

MFS : 『BOW』はやってもらいましたが、『FEELIN’』は自分でやりました。最近は撮影とかがあれば美章園にあるBARBERIKEDAに行ってベイビーヘアだけセットしてもらったりもしています。

Seiji : 最後に今後の展望、目標などありましたらお願いします。

MFS : そうですね。今まで感覚でやってきたものをもう少し磨いていけたらと思っています。今の自分がまずやるべきことはラップとライブを磨くことだと思っていて。それをやったうえで挑戦の幅を広げていきたいと思っています。

Seiji : ありがとうございました。というわけで今回のゲストはラッパーMFSさんでした!

MFS : ありがとうございました!


インスタライブで生インタビューしながら、僕はステージ上のMFSと、画面越しに話すMFSとのギャップに戸惑っていた。マイクにスピットしている彼女はピースながらも気迫に満ちているが、普通に話していると屈託のない笑顔を見せる(かなりの笑い上戸と言って良いかもしれない)。もちろん、どちらも嘘や無理のない等身大の彼女の姿なのだろう。そんな等身大をさらけ出す人柄が人気を呼んだのか、まだラッパー歴2年ではあるものの、2021年3月にはRedBullのマイクリレー企画「RASEN」に選出されたり、数々のアーティストとの客演をこなしたりと、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。まだまだ現在進行形で成長中のMFSからますます目が話せない。


インタビュー/文 : Seiji Horiguchi
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