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FRESH DANCE STUDIOプレゼンツ ロングインタビュー METH

2023.10.01

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FRESH DANCE STUDIOプレゼンツインタビューシリーズ
◆ゲスト : METH(XXX-LARGE / JUICErecords)
◆聞き手 : Seiji Horiguchi(草ノ根)

◉生まれ変わったFRESHロゴ。細部に込められたメッセージとは...?

FRESHインタビュー。今回のゲストはXXX-LARGE、JUICErecordsより、METHさんです!実は今年、スタジオ創立以来13年続いたロゴが一新されたのですが、そのロゴをデザインしてくださったのがMETHさんです。Instagramの投稿で、そのロゴのデザインに関して丁寧な解説を書かれていたことにも感動しました。そこで今日はデザイナーとしてのMETHさんにお話をうかがうことにしました。宜しくお願いします。

METH : 宜しくお願いします〜。

会社のロゴが変わるということはとても大きい出来事ですし、新しいデザインに馴染むまでに時間がかかるものですが、FRESHの新しいロゴに関してはそれがなかったですね。先生や生徒さんからも評判が良いです。今日は、METHさんにお話を聞くことによって、このロゴになった経緯や、そこに込められた思いを多くの人に知ってもらえたらと思います。
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METH : ありがとう。

早速なんですがFRESHの新しいロゴの解説からお願いできますでしょうか?

METH : まず、さっき紹介してくれたようにデザインの仕事のなかでも特に思い入れがあるものは、文章も添えてインスタに載せるようにしています。デザインの実績、実例としてね。FRESHオーナーのHONGOUはかなり古い仲で、国内外を一緒に回っていろいろ仕事してきた関係というのもあって投稿にアップさせてもらいました。



METH : まず、FRESHの従来のロゴは、もちろんみんなにしっかり馴染んでたと思います。スタジオの入り口の階段を降りる時にまず目に入ってくるし、デザインとしてインパクトがある。
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METH : 「ロゴを変えたい」って連絡来た時は「割とシンプル目に」っていう注文だったんだよ。いわゆる「ザ・ヒップホップ!」っていう感じにはしたくないというか、「HIPHOPに携わる人以外でも受け入れられるようなデザインで」という。これはたぶんTシャツにプリントすることも想定してのことだと思う。服に落とし込む場合は、例えば色の数が多いとプリントするのに予算がかかるし、複雑で細かいデザインだとプリントしにくいんだよね。だから前回のロゴのような、「シンプル目なデザイン」っていうオーダーだった。逆にそれ以外の注文はなかったね。

なるほど。あとはMETHさんにお任せしたわけですね。ロゴのデザインを見た時に、スタッフのなかでも「これはTシャツにしたら絶対可愛い!」となったので、まさに"Tシャツに落とし込むロゴ"としてぴったりなデザインに仕上げていただいたわけですね。シンプルながらも、今までとははっきり違う感じにもなっています。

METH : 具体的なデザインの解説をさせてもらうと、今までのロゴって「S」の部分に縦線が入って「$」になってたよね。フォント自体はシンプルなものなんだけど、この「$」がトレードマークというかストリート感を感じさせる要素だった。あの、破格の値段で売られてるFRESH Teeのロゴね(笑)
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はい。過去の発表会では1枚1,000円で販売していました(笑) 遠方から来られたダンサーも、FRESHのレッスンを受けて、そのままTシャツも購入する方がとても多いです。確かにTシャツの「$」マークはインパクトがありますよね。

METH : その「$」マークをまず先に崩そうと思いました。で、ここからは俺の個人的な意見なんだけど、自分は「縦割りの社会」みたいなのが好きじゃなくて。HIPHOPの世界も、俺個人の育ち方も、いわゆる「先輩後輩!」っていう縦割りな感じより、どちらかというと横のつながりで構成されてるんだよね。HONGHOUもそうやって、広い範囲の人たちに使ってもらいたいっていう気持ちがあるんじゃないかと思って「縦線から横線」というデザインになりました。

HONGOUさんからMETHさんへの依頼も、まさに横の繋がりですよね。そういった背景も含め、素敵なデザインです。

METH : 嬉しさあまりにそうしたのかもしんない(笑) 友達にデザインを頼まれることは多いけど、特に嬉しい依頼だった。もしかしたら2022年の「HANERU WORKS」主催のパーティのフライヤーデザインからの流れがあったかもしれない。あれがHONGOUからもらった初めてのオファーだと思う。あのフライヤーをデザインした流れから「FRESHのロゴも」っていう流れだったんじゃないかな。

HANERU WORKSのフライヤーもインパクト十分ですし、メンバー6人分の顔を全てMETHさんが描かれたと聞いた時はとても驚きました!
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それから、従来のFRESHのロゴと明らかに違うのが、「FRESH」の文字の周りを囲っている曲線ですね。ここについてもぜひ解説をお願いします。

METH : FRESHって、めちゃくちゃいい発表会やってるじゃん。 もはや発表会なのかフェスなのか分からないくらいの(笑) そういう空間で踊ってる生徒さんや先生の輝いてる感じをうまく表現したいなと考えました。やっぱりダンサーにとっての醍醐味って、ステージでスポットライトを浴びることだと思ってて。比喩表現でも「スポットライトを浴びて」とか使うじゃん。

「脚光を浴びる」というニュアンスですね。

METH : そういう意味をこめてスポットライト をイメージした曲線を引いてみました。サスペンションライト、いわゆる“サス”。俺らも今までよくお世話になった照明だよね(笑) ただ、このスポットライトのモチーフって、どちらかというとJAZZダンスとか、バレエのカンパニーのロゴなんかでよく見られるんだけど、それをストリートの要素というか自分っぽいデザインに落とし込むのが長年できなかったんだよ。けど、ようやく今回納得できる形に落とし込めました。ちなみに構想段階では、このスポットライトのモチーフをあしらったデザインを3,4パターンくらい出してFRESHサイドに選んでもらいました。

「FRESH」の文字を楕円型に囲んだデザインのものもあったりと、どれも捨てがたいデザインでした。ただ、提案されたデザインから選ぶ段階では、今おっしゃった「スポットライト」のアイデアがあったとは知らなかったですね。

METH : クライアントに選んでもらうときは、俺の意図はあまり伝えすぎないようにしてます。その方が純粋なデザインの好みで決められるからね。

◉デザインの仕事でまずやること。

さて、せっかくなので、デザイナーという仕事についてもさらにお聞きしたいと思います。FRESHのロゴもそうでしたが、METHさんはインスタアカウントで自身が手がけたデザインの解説を丁寧にされているのが印象的です。ことクライアントワーク(依頼を受けて行う仕事)の時は、まず何から始められるんですか?

METH : ケースバイケースではあるんだけど、デザインに入る前に必ず1回ヒアリングをします。ざっくりとでもね。完全に自分のバイアスとか好みだけで作ってしまうと、クライアントが「ちょっと違う…」ってなる可能性があるからね。だから必ずヒアリングして、イメージを聞き出して方向を定める。例えば、もし俺が料理屋さんで「なんかおまかせで魚料理ください」って言われたとして、自分の気分で料理を出すのもかっこいけど、もっと今の相手の気分に寄せていきたい。

わかりやすい! 先ほど、FRESHのロゴの依頼の際、「シンプル目にという注文以外特になかった」という話がありましたが、いわば今までのMETHさんHONGOUさんの関係自体が長いヒアリングになるなと思いました。長い付き合いだからこそ、ざっくりとした好みは共有されていたのかなと。

◉デザイナーとしての第一歩は…チームロゴ。

もっとさかのぼって、デザインの道に進み出した時のお話を聞かせていただけますか?

METH : 自分のなかで「デザインをした」と自覚したのはTシャツを作った時だね。自分が上京して、XXX-LARGEを組む前...だからまだ90年代かな?その時、地元の後輩で先に上京してた奴がいて、そいつが東京でバリバリのデザインワークをやってたんだよね。当時ってPCでイラレを使ってデザインできる人間ってかなり貴重でさ。その後輩は原宿のショップのシーズンごとのカタログを担当したり、格闘技のパンツにあしらわれるような刺繍のデザインとかもしてた。で、俺がそいつんち遊びに行った時は、作業しながら「これは誰々に頼まれたデザインで」とか教えてくれたりしてね。その時に「タケダくん(METH)もやればいいじゃん!手書きで描いてくれたら、俺がパス取って業者に入稿できる状態するよ!」って誘ってくれたのがきっかけかな。その後輩の“そそのかし”もあって始めることになりました。俺、中学から絵は好きだった(*)し、ずっとデザインに興味はあったしね。

※METHさんのグラフィティやHIPHOPとの出会いについては、過去のインタビュー記事で詳しくお話いただいています。
ロングインタビューto METH(2019年)

初めてTシャツにしたデザインは、今も覚えていますか?

METH : 覚えてるよ。デザインのデータはもうないけどね。あるときに知り合いからiMacを安く売ってもらった。しかもイラレが入ってる状態でね。そこからはデザインから入稿までを自分1人で完結させるようになる。PCゲットしてからはもうひたすら練習だよね。手書きのデザインをパス取りして、とか、文字にエフェクトをかけて形を変えるとか。そういうふうに練習するなかで、手描きのイメージを取り込んで、デザインとして仕上げるところまで完結させて1番最初に全部自分で作ったのが、XXX-LARGEのロゴだった。
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チームのロゴが初作品というのも、何か感慨深さがありますね!そこから、ダンスの活動と並行しながらデザインのスキルも磨かれていったと思うんですが、クライアントワークとしてデザインし始めたのはいつ頃からだったんですか?

METH : 覚えてないなあ(笑) なぜかというと、けっこうタダでやっちゃってるからさ。仲間から「ちょっとやってくれない?」って頼まれたりして。誰かがミックステープ作ったらジャケをデザインするとか。でも気づいたらお金をもらって、仕事としてデザインするってところにいったね。かなり低空のフェードインだよ(笑)

自分もライターとしての始まりは似ています。プロフィールや紹介文を書いているうちに、依頼が増えてきて…という流れでした。フリーランスあるあるかもしれません。

METH : 「今日からデザイナーっす」というケースは少ないだろうね。まずは「これができる人」みたいな。

◉斜里の先人に学ぶ。四毛作スタイル。

METHさんはレコード店も経営されて、デザイナーとしても仕事をされて、もちろんダンスやDJもされていたりと、いくつもの顔があるわけですが、ものすごく多忙なんじゃないかなと。どういったバランスでお仕事されているんですか?

METH : 頭の中は常に忙しいかもしれないね。2011年に地元の斜里に帰ってきてからはずっとそういうスタイルだから。でも、昔のこの辺(斜里)の人たちはね、夏は漁師やって、秋は農家やったり、物を買い付けて行商に行ったりしてた時代があったみたいなんだよ。いわゆる三毛作、四毛作…みたいな生活をせざるを得ない不遇の時代だね。そのなかで農作物とか、加工のクオリティを上げていくわけ。そういう先人の生き方に感化されてるかもしれない。

地元の先人の暮らしにヒントがあったわけですね。

METH : とはいえやることが複数ある状態だから、コンソールミキサーをコントロールしてるみたいなイメージだね(笑) 「今はこっち上げた方がいいな」みたいな。でも、手抜きができるような器用さは持ってないから、結局全部100%でやっちゃう。だから満遍なくみんなに迷惑かけてるかもしんない(笑)
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いやいや、そんなことはないと思います!(笑) 「何事にも全力!」という姿勢が信頼につながって、またみんなMETHさんに依頼するようになるのではないかなと個人的に思います。でも、各仕事のバランスはシーズンによって変わっていくわけですね。

METH : そうだね。例えば今年の夏は、地元のダンスの団体の発表会があったんだけど、その印刷物—ポスター、チケット、プログラム—を全部俺が担当してたんだよね。それと並行して、北見のスタジオのイベントで振り付けもさせてもらって。そうなってくるとさすがにテンパってくるね(笑) 全力が故にね。だからそこを保つために店を休んだりもする。1ヶ月くらい休んだり。「この期間はダンスに集中させてもらいます」みたいな。

デザインの仕事は常に何かしらの依頼を抱えている状態ですか?それとも時期によっては落ち着くこともあるんですか?

METH : 「さあ、これで宿題全部終わった!」ってなっても、気づいたらまた溜まっちゃってることは、よくあるよね(笑) 今でいうと、やっぱりFRESHのロゴを作ったあたりぐらいから、デザインの気運が上がってる感じがする。

ありがたいことでもありますが、大変ですね…。

METH : その代わり、もう「今日は作業しない」って決めたらやらないかも。1日中寝たり、ゆっくり出かけたりして過ごす。ストーリーもリアルタイムでアップせず、今どこで何してるかさとられないようにしたりするよ(笑)

意識して情報を遮断しないと、 いくらでも入ってくる時代ですしね。特にMETHさんはレコード店の運営上、情報を仕入れて発信するのが仕事の一つだと思うので、「もう今日は何もしない!」みたいな状態は、必要になりそうです。

METH : とはいえ、完全に0になることなんかないんだけどね(笑) どっかで仕事のこと考えてて、リラックスしててもアイデアが降ってきちゃって、ちょっとメモったりしてね。そしたらもう帰って作業しないとソワソワしちゃったりね(笑)

デザイナーの性(さが)ですね(笑)

◉かっこよければgoodデザイン...とは限らない!?

次に「フライヤーのデザイン」というところでお話を聞きたいと思います。というのも、正直フライヤーのデザインに時間やエネルギーをかけているイベントが減っているような気がしていて。タイムラインで流れてきても「出演者が豪華なだけにもったいない…」と思うこともたまにあるんです。METHさんは過去に、STRADやSOWL VILLAGEなど、自身が関わっているビッグパーティのフライヤーを数々デザインしてこられましたが、「フライヤーがパーティに対して持つ役割」について意見を聞かせていただけませんか?
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METH : フライヤーに限らず、どんなデザインでも同じだと思うけど、中身とデザインがかけ離れてるのは、違和感を感じるよね。例えば、ザ・ストリート!な服を作ってるブランドがあったとして、そこの広告がいきなりハイブランドみたいなスタイリッシュなデザインになってたらおかしいじゃん。

たしかにそうですね。

METH : だから、いかに中身が反映されてるかがポイントだと思う。見た目がかっこいいかかっこ悪いかって、もう主観の問題だからさ。ある人にとってはかっこいいだろうし、ある人にとってはダサいって思うかもしれないし。それよりも、そのイベントの中身を表現してるかどうかが大事だね。ダンスイベントのフライヤーとかも、コンセプトが感じられるデザインは良いなって思います。

確かに大阪のかっこいいパーティーは、そういうとこからこだわられてるところが多いと思います。

METH : デパートでもなんでも、お客さんに「ここは何屋です」っていうのが伝わればお店に来てくれるわけじゃん。そのイメージをビジュアルに落とし込む手伝いをするのが、デザイナーの役割だと思う。

そうですよね。パーティで言えば、イベント開催前に明かされる情報ってまずはフライヤーが最初ですしね。コンセプトを伝える重要な手段だと思います。

METH : そのコンセプトとデザインがハマれば、そこにアンテナを張ったお客さんが来るだろうし。そういう意味では、イベントのオーガナイザーだって、デザイナーといえるよね。こういうコンセプトでこういうメンツを集めて、こういう空間にするっていう。自分は(デザイナーとして)その空間作りの中のビジュアルの部分の手伝いをする感覚だね。

なるほど。「コンセプトとデザインがハマっている」というお話を聞いてパッと思い浮かんだのは、この「ダサい曲をかけるパーティ」のフライヤーです。コンセプトも特徴的ですし、このビジュアルで肩の力が抜けてる感じが伝わってきます。先ほどMETHさんがおっしゃった、「クールかクールじゃないか」の尺度じゃなく、「こういうパーティーをやるんだ」みたいな気概が伝わってきます。
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METH : 「ダサい」って自分から言っちゃう清々しさみたいなのがあるよね。逆に求心力があるというか。

今、若いプレイヤーのイベントは多いですが、自分たちだけでデザインを完結させるのが難しければ、プロに相談するのもありなんじゃないかなあと個人的には思います。

METH : 確かにデザインの経験がある人が入るのと入らないのとでは、クオリティに差が出るのは間違いないね。でも、 そうしなきゃいけない・するべきとは考えてなくて。俺らが若い頃は、もっと自分たちでやりたいことをやりたいようにやってたし、自分なりに工夫してスキルアップしていく流れが一般的だったからね。完成されたものが全てじゃないとも思う。不完全なものを許容しなくなっちゃうと、面白みがなくなるじゃん。つたないデザインだとしても「これからが楽しみかもしんない」って思うことも個人的にはあるよ。

なるほど。

METH : ダンスとも共通するよね。踊りがめっちゃうまいからといって、それが感動する度合いと比例するわけじゃない。下手くそでも、めっちゃ熱心に踊ってたら、心が動くこともある。結局そこに込めてる熱量や気持ちで人の心は動くしね。それと同じで気持ちがあれば、つたないデザインだとしても注目するし、これからが楽しみになる。

◉デザインのサンプリングと「人の癖 vs AI」の話

デザインをするときに参考にしたりするものはありますか?

METH : デザインには、HIPHOPと同じく「サンプリング(*)」っていう手法がよくあってね。例えばレトロな商店の看板でかっこいい字体があったら参考にしたくなるんだけど、そのフォントをネットで見つけてくるのって至難の業なの。それより、もとのデザインを参考にしながら、手描きで作っていく。これはこれでかなりスキルが要ることだけどね。文字の癖みたいのを見つけてそこにはない文字も再現するみたいな。
※サンプリング ... 音楽用語。過去の曲や音源の一部を切り出し、再構築して新たな楽曲を製作する手法。

街中で見つけたフォントを写真撮ることもあったりするんですか?

METH : あるね。街もそうだし、うちはレコードを扱ってるからね。レコードのジャケで「うわ、これ良い!!」って思ったやつは撮ってストックにしたりしてる。でも後で見返したら、同じようなデザインばっかり集めてることも多いけどね(笑) でも、そういうのが自分のスタイルの貯金になると思うし、そういう「自分だけの癖」みたいなのができると、AIに邪魔されずに済むと思う。

確かにAIの台頭は、昨今の大きなトピックですよね。でも先ほどおっしゃった「これから成熟する部分」が、AIには表現できない人間らしさの部分なのかなと思います。

METH : そうだね。AIだと、手早くそれっぽくかっこつけることはできるじゃん。もちろんそれで満足する人もいるだろうし、全然ありだと思うんだけど、満足できない人は、その先を求めたくなる。自分は、「その先の満足の部分」を補いたいんだよね。例えばイラレでも、幅を合わせる作業とかは数値的に完璧にできるじゃん?でも自分は、きっちり揃った感じを見て「うーん…」ってなって。あえて微妙にずらしたりするんだよ。

ビートメイカーがクオンタイズ機能(手で打ったビートのタイミングをジャストに合わせてくれる音楽ソフトの機能)を使わず、あえて手で打ったリズムを活かすのと似ていますね。

METH : そういうノリと同じだね。ビートも、ソフトを使って完全に等間隔にもできるけど、黒人のリズム感というか人間っぽさを求めることもある。J Dillaなんかは、その代表的な例だよね。人間だからこその「ズレ感」。そこを面白がれるのも人間ならではだと思うし、そういう部分を追い求めていきたいね。

ありがとうございます。デザインについてはまったくの素人ながら、今回のMETHさんのお話でかなり解像度が上がった感覚があります。スタジオのSNSで発信する画像を作るときも、ぜひ参考にしたいと思います!

ありがとね!


[まとめ]
一見シンプルで爽やかなロゴのなかには、これまでのMETHさんとオーナーとの関係性や、METHさんからFRESHへのメッセージが隠されていた。また、デザインの良し悪しは、見た目がかっこいいかどうかという主観の部分ではなく、コンセプトやメッセージを的確に表しているかどうかが重要、という話も特に印象的だった。我々が普段何気なく眺めているブランドや飲食店のロゴにも様々なストーリーが隠されているかもしれない。そう考えると街の歩き方が少し変わりそうな気がする。


JUICErecords
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文章/構成 : Seiji Horiguchi
信州大学人文学部卒。新聞記者を志す学生時代を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として、関西を中心にアーティストインタビュー・イベントレポート・情報誌連載などの執筆を行う。 2020年には、身の回りの人やモノに耳を傾けるメディア「草ノ根」を立ち上げ、ZINEの制作も行う。
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